2007年11月06日

山に憑かれる

 自分は足かけ30年位山歩きをしている
一時、遠ざかっていたが最近また頻繁に山登りをするようになった
 帰ってくると、また地図などを眺めて次の山行を考える
 以前は話し相手の居ない単独山行は面白くなくめったに行かなかった
 最近は単独の方が多くなってきた
 年を取ったせいか
 山で知らない人に話しかけるのも余り気恥ずかしさを感じなくなってきており、あまり寂しいと思わなくなったせいだろうか?
 一人で歩いていると無意識のうちにいろいろ考える
 これが結構楽しいのだろうか?
 職場や家庭から逃避しているのだろうか?
 いずれにしろ一人で山に行くことが楽しくて仕方が無くなってきている

そんな折こんな本を読んだ

191106本

 「山登りって何だろう」河野寿夫著 白山書房


要約でき無いので、OCRソフトで読み込んだものをそのまま載せる

P190〜
 ・山に魅入られるということ
 山に魅入られて遭難した、などと俗にいう。比喩的な表現ながら、そう思いたくなることも確かにある。山に憑かれる、といっても大差ない。
雑誌「山と渓谷」 一九五七年(昭和三十二年)七月号に、沢田真佐子さんの遭難手記「単独の北岳」が載っている。当初、東京上野山岳会会報に掲載されたもので、遭難が起こったのは一九五三年(昭和二十八年)七月に遡る。そのころの南ア、白峰北岳といえば、アプローチが今よりはるかに長く、山小屋はほとんど無人で、だれもが登れるというような山ではなかった。
沢田さんはその北岳に単独で入山した。前夜発五日の計画、七月十二日の夜行で新宿を出発し、十七日には帰京する予定となっていた。それが運悪く、途中暴風雨に見舞われて山中十一日間を要し、二十三日になってやっと下山するという、大変な危難に遭遇することになった。いったいどんなことが起こったのか、その大要を眺めてみよう。なお、文中括弧内は著者の注である。
 はじめの三日間は、文句ない晴天だった。初日の十三日は韮埼から牧ノ原を経て赤薙沢へ入り尾無の岩小屋でビバーク、二日目の十四日は尾無尾根を広河原峠へと登り、早川尾根を南へ越えて昼ごろ広河原小屋に着く。(当時広河原へ入るのは容易なことではなかった。)その日はここに泊まる。小屋番だけで、同宿者はいなかったようだ。
 翌十五日に待望の北岳に登る。頂上で三六〇度の展望を一人楽しみ、その日は北岳小屋に泊まる。ほかにはだれもいない。(当時の北岳小屋は、鞍部から東へ下ったところにあった。)
 十六日になって天候が激変する。朝から雨雲がどんどん下がり、間ノ岳と豊島岳の最低鞍部に近づいたころには風雨ともに激しく、半壊の農鳥石室に飛び込んでビバークを決める。夜半からは暴風雨となる。十七日、十八日の両日とも、暴風雨は休みなしに荒れ狂い、外に出ることは瞬時もままならない。翌十九日には風がややおさまるが、明け方から雨は一段と強くなってシユラフまでぬらしてしまう。夜明になって、やっとのことで農鳥小屋の方に移る。(当時の農鳥小屋は、稜線から束へ少し下ったところにあった。)かなりしっかりした小屋で、三日ぶりに伸び伸びしか気分になってご馳走を作る。明日は大丈夫晴れ、待ちに待った奈良田の吊橋を渡れるだろうと楽しみにして眠りにつく……とある。(当時、奈良田の橋は長い吊橋だった。)しかし、願い空しく、翌二十日もまた雨、停滞を余儀なくされる。
 二十一日になってもまだ雨は止まない。でも、これ以上、だれもいない小屋にいて食料を食べ尽くすことは耐えられないので、何とか下山しようと決意する。稜線に出ると風雨がものすごく、雨具の隙間から入り込む雨で、農鳥岳に着くまで全身ぐしょぬれになる。視界がきかず、大門沢の降り口がなかなか見つからない。やっとわかって降り始めるが、大門沢が増水し、雨と沢水の両方でずぶぬれになり、くたくたになったころ、新しい大門沢小屋の前にとび出す。その日はここに泊まる。だが、二十二日になってもまだ雨は止まない。高巻きとへつりの連続で、沢を下る。やがて、道が右岸から左岸へと移る地点で、橋が流されているのに気づいて愕然とする。それからは筆舌に尽くしがたい悪戦苦闘が続く。結局どうにもならなくなって、大ゴモリ沢近くの岩小屋にビバークを決める。全身はもちろん、マッチもシュラフもびしょぬれという、惨めさだった。万一の場合を考えてお母さん宛に書き置きをする。全身にガタガタふるえがきて、いくら気張っても止まらない。こんなに寒い辛い思いをするくらいなら……凍死する時は眠くなるそうだけれど、私も早く眠くなりたいと、何度も思った…… と書き記している。二十三日もまだ雨。残っていた夏ミカンを半分食べ、昨日から何回往復したかしれない道を、ふたたび橋跡まで行く。ここはどうしても左岸に移るしか方法がないので、やっとの思いで大石を投げ込んでみたが、それさえ流されてしまう始末で、徒渉は絶対不可能とあきらめる。さらに上流を調べると、丸本が一本岸の石にまたがって倒れているのが見つかる。これだ! と直感し、荷物の大半を岩小屋に残して空身となり、丸太に馬乗りになって、やっと対岸に渡ることができる。立派な道を見出しだのは、それからまもなくのことだった。
 遭難記の最後は、次のように締めくくられている。
……それから左岸通しに山の鼻をめぐり、奈良田の手前で嵐にすっかり荒らされた焼き畑を直しているお爺さんに、九日ぶりで人間に会う。
 「岳から来たのか。この荒れに……おまえさんはまあ……ようく生きて来たものじゃ」…と言われて、今までの張りつめていた気も一時にゆるんで、思わず大きな涙がボツリと落ちた。それからまもなく、待ちに待った奈良田の吊橋に着き、今こそ本当に無事にこの橋を渡れる自分をしみじみ幸せに思いながら、ゆっくり歩いて行った…… と。沢田さんの心情は察するにあまりある。右はあくまで要約にすぎない。原文の迫力はこんなものではない。涙なしにはとても読んではいられない。すさましいばかりの山での台風の猛威に、たった一人で耐え抜いた沢田さんの判断力と精神力には、今さらながら感服せざるをえない。
 ところが、彼女はその年の9月、三伏峠から荒川岳へと縦走し、再度の台風の来襲で増水した小渋川を下る途中、濁流にのまれ帰らぬ人となってしまった。北岳の遭難以来、山岳会からも家庭からも、単独行を固く禁じられていたにもかかわらず、である。沢田さんのご冥福を心からお祈りしたい。
 さて、山に魅入られるとは、いったいどういうことなのだろうか。沢田さんも山に魅入られたのだろうか。山へ行って帰ってきたばかりなのに、何が何でも、すぐまた行きたい。無性に行きたくてしょうがない。実は、これが危険信号なのである。そんな時にこそ、大なり小なり遭難が起きやすい気がする。私も若い頃、奥秩父の大洞の井戸沢を単独で遡行中、足にケガして出血が止まらなくなり、尾根に這い上がってビバークした経験を持っている。
そのころは、奥秩父北面の沢歩きに夢中になっていて、今度はこの沢、次はあの沢、というように、やたらに行きたくてしようがなかった。今思えば、おそらく危険信号だったに違いない。山に魅入られたように見えても、実際は心の問題に帰するような気がする。
あまりに心がはやる時には、必ずどこかに落とし穴が待ち受けているようだ。そんな時は、一歩下がって落ち着いて一考する方がいい。行きたければいつでも行ける、という気安さこそが単独行のよさでもあり、反対に最も危険な面でもある。


 この記述が何となく最近の山行に対する警鐘のように思え
 少し冷静になろうと思う今日この頃なのだ


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posted by noyama at 20:43| Comment(6) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
noyama様、こんばんは!
私の場合は、めったに難しい場所には行きませんが、最近はほぼ100%単独になってしまいました。行く先々での出合を大切にして、気をつけて山歩きを楽しんでいきたいと思っています。
ただ、少しお天気が悪そうなら、中止できるのも一人の気楽なところ。軟弱ですが、その点では比較的安全かもしれません。
Posted by yoska at 2007年11月07日 21:54
yoska 様
 今晩は
 そうですね 無理をせず
 どんな山でも 油断せず 慢心せず 
 を心がけたいと思っております
Posted by noyama at 2007年11月08日 21:07
こんばんは。

荒島岳と検索したら、こちらへ。

なんだか知りたかった事と違いましたが
思わず見入ってしまいました。

2007年の記事なので、どうしようか迷いましたが
書きたくなりました。

一人で行ける山を探っていましたので
こちらの文・・・胸を強く打ちました。

たいしたことはないのですが、一人で行った山で
無事に下山出来て家に帰れたら、もう2度と一人では山に行きません。
神様に誓いました。
そう心に決めたのに、うずうずしてきた私に対する警告のような気がして・・・・襟を正しました。

検索している事自体・・・反省。

ありがとうございました。
Posted by デナリ at 2009年06月07日 21:44
 デナリ 様

 コメントありがとうございます
 私はこの年群馬県西部の低山で危ない目に遭いました
 そんな折り この本を読んだので書きましたが
 またすっかり忘れてかけていました
 
 無理をしないことを心がけたいと思っております

 このブログは下記に引っ越しました

 http://blog.goo.ne.jp/noyama002
Posted by noyama at 2009年06月08日 22:12
単独行の沢田真佐子さんを探してたら、ここに来ました。

一人で見知らぬところに出かけてみたいっていう、衝動は、沢田さんの手記を読んだら、何か決定的な理由を見つけたような気がしました。

Posted by watakun at 2012年08月18日 22:52
watakun様

 コメントありがとうございます
 4年前に一人で2泊3日の山行したコースへ
最近、友と二人で出かけました
 4年前は3日目に疲れ果ててしまいましたが
 今回は楽に行くことが出来ました

 一人で行く楽しさとは別に、気心の知れた友との山行も又楽しからずやです

 何時も山には何かがあるような気がしております



 このブログは下記に引っ越しました

 http://blog.goo.ne.jp/noyama002
Posted by noyama at 2012年08月20日 08:52
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